雇われWebデザイナーとフリーのWebデザイナーの大きな違い
はじめに、わたしのWebデザイナーの定義は、Webサイトのグラフィックデザインをする人ではなく、Webサイトをちゃんと目的の方向にもっていける人、もしくはもっていこうとする人のことです。
なので、プログラミングしようがグラフィックデザインしようが、すべてWebサイトをデザインしていることになると思っています。
というわけで、Webデザイナーといっても、グラフィックをデザインする人だけが対象ではありません。
違いって・・・
で、フリーと雇われの違いをあげだせばキリがないですよね。フリーなら報酬は完全歩合、時間配分も自由、仕事場もどこでもOK、なんでもかんでも自分の思うようにできます。
そんなフリーを夢見て、いつかはおれも・・・。なんて、ワクワクが止まらない人も少なくないでしょう。
なーんつっても、これらは表面的なことで「自分の思うように」なんてことは、そんな簡単にできるもんではないです。フリー=自由ではありません。仕事の仕方が自由なだけで、フリーになった瞬間、いろんなことが自由になるわけではありません。もしかすると、フリーって雇われよりも色んなものに縛られてしまう可能性が大きい形態です。
たとえば、自分でお客様の開拓はしてなくて、前の会社や代理店から仕事を回してもらっているのであれば、納期や予算はあらかじめ決まっているし、お客様と直接やりとりして、自分の思うような提案ができるというわけでもありません。場合によっては、代理店と発注元、両方の要望を取り入れて、よくわからないものが出来上がってしまうこともあります。決まった給料もないですから、ある程度安定していた給料で出来ていた色々も、出来なくなる可能性があります。
さらに、こういったやり方だと、時間、打ち合わせ、すべてを自分で決めることはできません。納期が厳しい設定のものも非常に多いですしね。
というわけで、誰かが持ってきた仕事をそのまま仕上げるのであれば、雇われの時となんら変わりありません。これでは何が違うかと言えば、出勤しなくていいとか、上司がいない、とかそんなことぐらいしかありません。
それが魅力だといえば、それまでです。
そういうやり方を否定するつもりは全くありません。
時間労働者は時間に縛られる
フリーであれ、雇われであれ、時間を切り売りする仕事がWebデザイナーです。単価が決まっている以上、やった分しかお金は発生しません。というわけで、フリーになっても時間から開放されることはありません。
フリーがほんとにフリーになる時
ただ、わたしがフリーと雇われが大きな違いを生む時というのは、個人が自分の仕事を「事業」として捉えた時だと思っています。「自分で商売をする」という感覚ですね。
もしそんなつもりがないのであれば、組織に属しチームで力を合わせて大きな仕事をしたり、与えられた時間の中で自分の仕事を淡々とこなす方が、お金の心配などのストレスもありませんので、雇われている方が充実していると思います。
もちろん、人に雇われるのが嫌と、雇われてなければ何でもいいというひともいますが・・・。
極力時間に縛られたくないと思えば、独自にサービスをつくって運営したり、自分でお客様を開拓するとか、まあアフィリエイトでもいいですが、そんな形であれば、もちろん時間労働をする必要はありますが、これなら場所を選びません。
打ち合わせがないのであれば、国内でも海外でも転々としながら、自分のペースで仕事ができます。
まあ、それらも魅力ではありますが、わたしが最初にフリーになったのは、「自分で仕事をつくる」ということに興味があったからです。
フリーになることが目的ではなく、自分の事業として、仕事をフリーな考えで作り出すことが魅力なのです。
Webデザイナーだからといって、その仕事だけである必要はありません。ネットショップを運営してもいいし、お店を出してもいい、会社をつくってもいいし、それがひとつである必要もない。
そんな自由な発想で、個人で事業がつくれるわけです。
自分で自分の思うように仕事をつくる行動、それが、ほんとの意味でのフリーだと思います。
ワクワクしませんか?
もちろん、リスクはかなりあります。
でも事前に気をつけておけば、ある程度のリスクはなくせますし、そんなワクワクまみれだと、リスクなんて考えなくなってしまいます。
「現実的に考えるとそうもいかないよ・・・」
なんて思われるかもしれませんが、現実的ってなんでしょうか?
今、安定した給料で働いている、取引先から安定して仕事を得ている、またその仕事が永遠に続くというのは幻想です。どの業界、どの仕事でも絶対なんてあるはずないです。
それこそが現実です。
不安を口に出しはじめれば、すごい勢いで溢れてくるでしょう。
あるはずのない絶対を信じ、一歩を踏み出すことに不安を感じてしまう。
これでは自分に壁をつくるばかりで、外の世界は見えません。
その壁を取り払うべく、一歩を踏み出した人が、本当の意味でフリーになり、雇われの時とは、まったく別のものになっていくのだと思います。